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検査内容の説明

医師が受診者の既往歴、家族歴、生活習慣および自覚症状などを問診し、総合判定時の参考にします。
また、聴診、触診などにより、心臓や肺のほか、甲状腺、頸部リンパ節などの異常を調べます。
標準体重・肥満度・BMI
標準体重=(身長m)²×22 で求めます。
BMI
BMI (Body Mass Index) = (体重㎏) ÷ (身長m)²は体格指数で、肥満度の指数として用いられます。
体脂肪率とも相関し、統計的にBMI=22前後の人が最も病気になりにくいといわれています。肥満は生活習慣病の原因となり、BMI=25以上は注意が必要です。
体脂肪率
体重に占める脂肪の重さの割合で、男性15~25%、女性20~30%程度が標準です。
腹囲
へその高さでおなか周りを計測します。血圧、血中脂質、血糖値などの結果と合わせてメタボリックシンドロームの診断に用います。
収縮期(最高)/拡張期(最低)が120/80mmHg未満が「正常血圧」です。
喫煙、塩分過多、睡眠不足、運動不足、肥満が高血圧の原因になりやすく、放置すると動脈硬化が進行し、脳卒中や心筋梗塞、腎障害の原因になります。さらに糖尿病や脂質異常症など他の生活習慣病がある場合は厳格なコントロールが必要です。
オージオメーター
外部の音が遮断された部屋でヘッドホンをし、オージオメーターで中・高音域(1000・4000Hz)の聴力を検査します。加齢、環境騒音、耳疾患や種々の疾患により聴力障害を生じます。
尿pH
正常は弱酸性(pH6.0 位)で食生活により変動します。過度の肉食、過飲、カルシウム不足で酸度が高くなると尿路結石の原因となります。
尿蛋白
健常人では陰性。腎障害、腎炎などで陽性となりますが、発熱時や過激な運動で陽性になることもあります
尿糖
健常人では陰性。糖尿病などにより血糖値が高値になると尿糖が陽性となります。陽性の場合は糖尿病を疑い、さらに詳しい検査を行います。
尿ビリルビン
健常人では陰性。ビリルビンは赤血球の分解産物の一種で、赤血球の分解が亢進した場合や肝疾患、肝臓から胆汁への排泄が阻害された場合に上昇します。
尿ウロビリノーゲン
健常人でわずかに検出され、正常は「±」です。胆道系の障害で胆汁が排出されない場合は陰性、肝障害で血中ビリルビン値が上昇すると強陽性となります。
尿潜血
腎臓、尿管、膀胱、尿道、前立腺などの疾患で陽性となります。そのほか遊走腎、激しい運動の後に陽性となることもあります。
尿沈渣
尿中の固形成分(赤血球、白血球、上皮細胞、細菌、析出結晶、円柱など)を顕微鏡で調べます。腎臓、尿路系疾患の診断に用います。
貧血
赤血球・ヘモグロビン・ヘマトクリット
赤血球中のヘモグロビンは酸素を運搬する重要な役割を担っています。ヘマトクリットは血液中の赤血球濃度を表します。いずれも貧血を調べる検査で、鉄分の摂取不足や出血、悪性腫瘍の存在で減少することがあります。
血清鉄(Fe)・TIBC(総鉄結合能)
血液中の鉄分はヘモグロビンの原料となるため、低下すると貧血の原因となります。偏食による鉄分摂取不足や胃切除後の吸収障害、月経過多などでも低下します。TIBCは、鉄と結合できる血中蛋白の総量で貧血や血液疾患などの診断に利用します。
一般・血液像
MCV・MCH・MCHC
MCVは1個の赤血球の容積、MCHは1個の赤血球中のヘモグロビン量、MCHCは赤血球内のヘモグロビン濃度を表し、貧血のタイプ・原因を調べるために用います。
白血球
白血球は病原体から体を守る役割を持ち、感染症などの炎症性疾患や白血病などの血液疾患で異常値を示します。また、過度の喫煙でも上昇することがあります。喫煙者で白血球が多い方は節煙あるいは禁煙後、再検してください。
血液像
白血球はそれぞれ役割の異なった数種類の細胞から成り、血液像はこれらの内訳を表しています。
Neut(好中球):感染症や急性の炎症で増加し、以下二種類があります。
Stab(桿状核球):幼若な好中球で炎症が強いときに出現します。
Seg(分葉核球):成熟した好中球です。
Lymph(リンパ球):ウイルス感染症などで増加します。
Mono(単球):結核などで増加します。
Eosino(好酸球):アレルギー疾患や寄生虫症などで増加します。
Baso(好塩基球):増加はまれですが、骨髄性白血病などで増加します。
血小板
血小板は血管の損傷部位に付着し、凝集して止血する役割を持っています。減少すると出血傾向、過剰になると血栓形成の原因となります。血液疾患や慢性肝炎、肝硬変の場合に低下することがあります。
膵機能
血清アミラーゼ
炭水化物(でんぷん)を分解する消化酵素で、唾液や膵液に含まれます。膵臓、唾液腺の炎症や障害時に上昇します。
リパーゼ
脂肪を分解する消化酵素で、膵臓から分泌されます。膵臓の炎症や障害時に上昇するので、膵炎・膵疾患の補助診断に用います。
尿中アミラーゼ
血清アミラーゼが高値の場合に膵炎に由来するのか、腎不全等による排出低下に由来するのかの判定に用います。
腎機能
尿素窒素
腎機能障害時に上昇するほか、高蛋白食や激しい運動、脱水などにより上昇する場合があります。
クレアチニン
不要になった蛋白の最終産物で、腎臓から排出されます。腎機能障害時に上昇します。
eGFR(推定腎糸球体濾過量)
推定腎糸球体濾過量は年齢、性別、血清クレアチニン値から算出される数値で、腎機能障害の指標となります。
電解質(Na・ K・ Cl)
血中に含まれる電解質で腎臓により濃度が一定に維持されています。脱水、下痢、腎機能障害時や利尿剤の服用などで異常値になることがあります。
電解質(Ca, P)
腎不全、副甲状腺機能異常などで異常がみとめられます。
糖代謝
血糖
血糖値は、血液内のグルコース(ブドウ糖)濃度であり、体のエネルギー源として大切な役割をしています。主にインスリンというホルモンにより、血糖値は一定の範囲内にコントロールされており空腹時99mg/dl以下が標準です。100mg/dl以上では糖尿病の可能性があり、糖負荷試験による精密検査をする必要があります。
HbA1c (NGSP国際基準)
ブドウ糖と結合した赤血球ヘモグロビンの割合です。過去1~2ヵ月間の平均的血糖値を反映し、糖尿病コントロールの評価に用います。6.5%以上であれば糖尿病と診断します。
脂質代謝
総コレステロール
血中に含まれる脂質で、HDLコレステロール(善玉)やLDLコレステロール(悪玉)などの総和を表しています。ホルモンや細胞膜を作るうえで大切なものですが、増えすぎると動脈硬化を進展させる原因となります。
中性脂肪
体内で最も多い脂肪で、糖質がエネルギーとして脂肪に変化したものです。過食過飲や運動不足で上昇し、高い状態が続くと皮下脂肪や内臓脂肪になって体重が増加したり、動脈硬化を進展させたりして、脳梗塞や心筋梗塞の原因になります。
HDLコレステロール
善玉コレステロールといわれるもので血管にたまったコレステロールを肝臓に運び、動脈硬化を予防する働きがあります。運動することで増加し、喫煙で低下します。40mg/dl以上が望ましい値です。
LDLコレステロール
肝臓で合成されたコレステロールを末梢へ輸送する悪玉のコレステロールです。動脈硬化を進行させ脳梗塞や心筋梗塞の原因となります。140mg/dl未満が望ましい値ですが、高血圧や糖尿病などの生活習慣病や喫煙歴のある方は120mg/dl未満に、狭心症や心筋梗塞の既往のある方は100mg/dl未満にコントロールしてください。
βリポ蛋白
血中脂質の大部分は蛋白質と結合しリポ蛋白として存在します。このうちβグロブリンと結合したβリポ蛋白は脂質の代謝に重要な役割を持っています。βリポ蛋白が多いと動脈硬化が進行し、心筋梗塞の原因などにもなります。
動脈硬化指数
(総コレステロール-HDLコレステロール)÷HDLコレステロールで求められる指数で、数値が高いほど動脈硬化が進行する恐れがあります。
尿酸
尿酸
蛋白質の一種であるプリン体が代謝される際に生じるものが尿酸で、飲酒や肉食、腎機能障害時に上昇します。高い状態が続くと、結晶として関節に蓄積して痛風発作と呼ばれる関節痛を起こします。また腎結石の原因になることがあります。
血清
CRP
健常人では陰性。感染症や膠原病、悪性疾患で上昇し、治癒すると消失するので、疾患の重症度、病状変化の評価に利用します。
ASO(ASLO)
溶血性連鎖球菌に対する抗体価で、リウマチ熱、猩紅熱、急性糸球体腎炎などで上昇します。溶血性連鎖球菌は常在菌であり病的な感染がない健常人でも、ある程度抗体価を有しています。
RA
リウマチテスト。慢性関節リウマチ、膠原病、肝疾患などで陽性となるほか、健常人でも数%が陽性を示すため、RAのみ陽性でCRP、血沈などの炎症反応が正常であり、関節症状が伴わなければ臨床的に問題はないことが多いです。
TPHA(TP抗体)、RPR
梅毒感染の有無を調べます。治癒しても陰性化はしません。
血清蛋白
総蛋白
血液中に含まれる種々の蛋白質の総和で、個人差も大きく、1日のうちでも変動します。肝障害や悪性腫瘍がある場合に低下します。
アルブミン
総蛋白の中で肝臓で作られる主要な蛋白であり、体の各構成要素の原料になります。肝障害時、栄養不良、消化吸収不良、ネフローゼ症候群などで低下します。
A/G比
体の構成要素の原料蛋白であるアルブミンと細菌や異物を排除する抗体蛋白であるグロブリンの比を表します。肝障害、炎症反応や悪性腫瘍が存在するときに低下します。
蛋白分画
総蛋白に含まれるアルブミンと種々の蛋白質の内訳です。γグロブリンは免疫に関係する蛋白です。
肝機能
AST(GOT)・ALT(GPT)
いずれも蛋白質の元となるアミノ酸を合成する酵素です。主に肝臓に多く含まれているため、肝機能検査として重要な項目であり、ウイルス性肝炎や、アルコール性肝障害、脂肪肝などで上昇します。また、AST(GOT)は心臓や骨格筋にも存在するため、心筋梗塞や筋肉疾患でも上昇します。
γ-GT(γ-GTP)・LAP・ALP(AL-P)
胆道系の酵素で、肝障害以外に胆石や胆道閉塞性疾患、膵疾患などで上昇します。過飲によるγ-GT(γ-GTP)単独の上昇がある場合は飲酒を控えてください。ALP(AL-P)は骨にも存在するため、骨疾患や悪性腫瘍、妊娠末期で上昇することがあります。
コリンエステラーゼ
肝臓で合成される酵素で、肝臓の蛋白質合成能を反映しています。肝炎や肝硬変、低栄養状態や貧血などで低下しますが、肥満や脂肪肝では上昇することがあります。
総ビリルビン・直接ビリルビン
ビリルビンは胆汁の主成分で、古くなった赤血球が脾臓で分解され、このときにヘモグロビンが変化してできた色素の一種です。肝障害や胆汁の流れを悪くする胆道疾患で上昇すると黄疸(皮膚や眼球の黄染)になります。直接ビリルビンと間接ビリルビンに分けられ、これをみることにより肝障害か胆道閉塞性障害か推測します。
LDH
ブドウ糖がエネルギーに変わる際に働く酵素です。主に肝臓に多く含まれており、肝障害時にAST、ALTとともに上昇します。エネルギーを得るのに重要な酵素で、筋肉や他の臓器にも広く存在するため、肺や心疾患、筋疾患、悪性疾患や激しい運動の直後でも上昇します。
肝炎ウイルス
HBs抗原(B型肝炎S抗原 HBs-Ag)
HBs抗原が陽性で肝機能が正常の場合、生来のB型肝炎ウイルス保持者で無症状の状態と考えられます。将来B型肝炎を発症する可能性があり、年に1回は肝機能の経過観察が必要です。
HBs抗体(B型肝炎S抗体 HBs-Ab)
HBs抗原が陰性でHBs抗体が陽性の場合、B型肝炎ウイルスに感染後、治癒したことを示しており、臨床的に問題ありません。
HCV抗体(C型肝炎抗体)
HCV抗体陽性の場合、C型肝炎ウイルスに感染している可能性があります。現在無症状でも将来活動性慢性肝炎や肝硬変に進行することがありますので、専門医にご相談ください。
HA抗体(A型肝炎抗体)
HA抗体陽性の場合、A型肝炎ウイルスに感染後、治癒したことを示しており、臨床的に問題ありません。
腫瘍マーカー
種々の悪性腫瘍の存在で出現する蛋白質や抗原を調べます。健常人でも異常値を示すことがありますが、陽性と判定された場合は定期的に経過観察するか、一歩進んだ検査をする必要があります。
CEA
主に、大腸・胃などの消化器癌、肺癌で上昇します。また、喫煙の影響でも上昇するので、喫煙者で陽性の方は、節煙後、再検査をして値が低下することを確認する必要があります。
AFP
原発性肝臓癌で上昇します。慢性肝炎、肝硬変のある場合は、定期的にAFPの経過観察をするとともに、腹部超音波検査で肝腫瘍の存在をチェックする必要があります。
エラスターゼⅠ
膵臓癌、膵炎で上昇します。
SCC抗原
食道、肺、尿路系、子宮頸膣部、皮膚などの扁平上皮に覆われている部位の癌で上昇します。
PSA
前立腺癌で上昇します。前立腺肥大でも軽度上昇します。
シフラ
扁平上皮癌で上昇します。肺癌(扁平上皮癌)、各種消化器がん(食道癌、胃がん、結腸・直腸がん)、婦人科癌(卵巣癌、子宮癌)で上昇します。
ProGRP
肺小細胞がんで上昇します。
CA19-9
膵臓癌、胆嚢・胆道癌、婦人科癌(卵巣癌、子宮内膜癌)で上昇します。
CA125
主に、卵巣癌で上昇します。健常人でも微量に存在するので、体調により変動が大きい場合があります。
LOX-index
LOX-indexは、将来的に脳梗塞・心筋梗塞が発症するリスクを、動脈硬化が進行する前に知ることができる検査です。
自身のリスクを早期に知り、生活習慣を改善することで脳梗塞・心筋梗塞の予防につなげましょう。
Viewアレルギー39検査
Viewアレルギー39検査とは、血液検査でアレルギーの原因を調べる検査です。
私たちの身体ではアレルゲンごとに特有の「IgE」という抗体が産生されます。
血液中にある「IgE」量を測定することで、アレルギー症状を引き起こしている可能性のあるアレルゲン(39種類)が分かります。
MCIスクリーニング検査
MCI(軽度認知障害)のリスクを血液で調べる検査です。
MCIの段階で適切な予防や治療を行うことによって認知症発症を防ぐまたは遅らせることができます。
血圧脈波検査とは
手足の血圧を同時に記録し、血管の動脈硬化について調べる検査です。上肢と下肢の血圧を比較することで動脈の詰まりの程度を知ることができ、脈の伝わり方を調べることで動脈の硬さの程度を数値として表すことができます。
足の血管に動脈硬化が進行している場合、歩行による痛みやだるさを感じることがありますが、糖尿病の方は痛みなどの症状が出にくい場合があり、動脈硬化が進行してしまうことがあります。
血圧脈波検査を行えば、早期の動脈硬化(閉塞性動脈硬化症)を発見することが可能です。
検査方法
下肢のサポーターや靴下、矯正下着など、体を締め付ける着衣は脱いで頂きます。血圧計を上肢と下肢に巻き、上肢の血圧、下肢の血圧、心電図、心音図を同時に記録します。検査時間は10分程度です。
不整脈のある方は脈波の伝わり方が変則的になり参考値となる場合があります。また、人工透析患者様はシャント側の血圧は測定できません。
おすすめする方
・一定距離を歩くと足が痛くなり数分の安静で回復する方
・階段を登るのがつらい方
・手足の冷感・しびれ感がある方
・安静にしていても手足に痛みがある方
・手足に治りにくい潰瘍ができている方
・足趾が黒くなっている方 など
検査を受けられない方
・むくみ、出血傾向のある方(腎不全、重症肝障害、血友病など)
・うっ滞により血栓形成の恐れがある方(肺塞栓の既往、血栓性静脈炎など)
・うっ滞が末梢循環障害を生じさせる恐れのある方
・大動脈瘤のある方
内臓脂肪測定CTについて
内臓脂肪の過剰な蓄積(内臓脂肪型肥満)は、高血糖や高脂血症、高血圧などを招き、動脈硬化をすすめ、心筋梗塞や脳卒中などを引き起こすリスクが高くなることがわかっています。内臓脂肪の量は腹囲でおおよその推定が可能です。へその位置でのウエストが男性で85cm以上、女性で90cm以上がメタボリックシンドロームにおける腹囲の基準とされています。
しかし、腹囲の計測ではわからない「かくれ肥満」の方もおられます。そこで、X線CTを用いて腹部の断面像を撮影することにより、正確に内臓脂肪の蓄積を判断することができます。内臓脂肪の面積が100㎠を越える場合、内臓脂肪型肥満と診断されます。内臓脂肪測定CT検査は、苦痛も無く、X線被爆も少ない安全な検査です。ご自身の内臓脂肪量を知り、ぜひ健康管理にお役立てください。
検査方法
X線CT装置にて、へその高さの断面を撮影し、正確に皮下脂肪と内臓脂肪を分離計測し、生活習慣病と関連のある内臓脂肪量を把握します。
内臓脂肪測定CT検査_検査方法
検査の注意事項
検査のための食事制限はありませんが、おなかにバリウムが残っている場合は撮影ができません。
検査を受けられない方
妊娠中、またはその可能性がある方。
骨塩定量(骨密度)検査とは
骨塩定量検査とは骨を構成しているカルシウム・マグネシウムなどのミネラル成分量(骨量)を測る検査です。
検査方法
X線を使って、手の骨と厚さの異なるアルミニウム板とを同時に撮影し、骨とアルミニウムの濃度を比べることによって測定します。
おすすめしたい方
・骨粗しょう症が気になる方
・閉経後の方
・常習喫煙、過度のアルコール摂取の方
・転倒などの軽い衝撃で骨折をしたことがある方
・運動不足の方
ヘリコバクターピロリ菌の感染の有無をチェックします。ピロリ―菌感染があり内視鏡や胃レントゲン検査で慢性胃炎が認められる場合は、胃がんの発生リスクを低下させるため、除菌治療を行います。

頭部CT検査

CT検査とは
コンピュータ断層撮影法(Computed Tomography)の略であり、体の周囲を360度方向から連続的にX線を照射し、身体の断面を撮影する検査です。X線は身体の内部を通過しますが、組織や臓器によって通過しやすさは異なります。CTは通過したX線量の差をデータとして集め、コンピュータ処理することによって身体の内部を画像化します。
頭部CT検査とは
脳腫瘍、脳梗塞や先天性の病気等が分かります。
また脳出血や、交通事故などによる骨折の状態を短時間、かつ簡単、詳細に調べることが可能です。
検査時間は約5分です。
おすすめしたい方
・頭痛もちの方
・手足の感覚や動きに違和感のある方
・ご家族に脳卒中のいる方
・過去に脳梗塞を起こしたことがある、または脳梗塞の疑いがある方
検査を受けられない方
・妊娠中、妊娠の可能性がある方

視力検査

裸眼視力・矯正(コンタクトレンズやメガネ)視力を計測します。矯正のバランスが悪いと、眼精疲労や肩凝り、頭痛の原因となることがあります。

眼圧検査

眼圧測定器から圧縮された空気を片目ずつ吹きつけて眼球内圧を測定し、緑内障を早期に発見します。緑内障は高眼圧のために視神経の機能障害をきたす疾患で、放置すると失明することもあります。

眼底検査

暗い部屋で器械にあごをのせ、目の前でフラッシュをたいて目の奥(眼底)の写真を撮影します。写真で血管や網膜・神経を確認し、眼の疾患を早期に発見します。また、眼底の血管は、肉眼で確認できる唯一の血管であることから、糖尿病性の変化や全身の動脈硬化度も推察します。Scheie Hは高血圧性の変化を、Scheie Sは動脈硬化性の変化を表します。

頸動脈超音波

超音波検査とは
超音波検査は、人の耳には聞こえない高周波数の音波を臓器に向かって発信し、返ってくる反射波を受信して、画像として映し出す検査です。
放射線の被爆がなく、安心して受けて頂ける検査ですが、画像の描出には、空気やガス、脂肪、骨などの体内環境に影響を受けることがあります。
頸動脈超音波検査とは
頸の側方より超音波をあてて頸動脈を写し出し、血管の壁の厚み(内中膜)を評価して動脈硬化の進行がないかどうかをみる検査です。検査時間は20~30分程度です。
頸動脈超音波検査で、全身の動脈硬化の進行程度を予測できるとも言われており、コレステロール値の高い方、高血圧の方などには、よく用いられる検査です。
体を流れる血液は、頸動脈を通って頭の方へ流れていくため、頸動脈で動脈硬化が進行していくと、脳梗塞を引き起こすなどの影響が出ることがあります。特に症状がない場合でも、頸動脈超音波検査をきっかけに病気が見つかることがあり、早期に精密検査や治療に取りかかることができます。
おすすめする方
・高血圧、高脂血症、糖尿病の方
・喫煙されている(されていた)方
・心臓や血管の異常を指摘された方 など

甲状腺超音波

超音波検査とは
超音波検査は、人の耳には聞こえない高周波数の音波を臓器に向かって発信し、返ってくる反射波を受信して、画像として映し出す検査です。
放射線の被爆がなく、安心して受けて頂ける検査ですが、画像の描出には、空気やガス、脂肪、骨などの体内環境に影響を受けることがあります。
甲状腺超音波検査とは
甲状腺は喉の下部に位置する小さな臓器で、甲状腺では、体に必要なホルモンが作られています。
甲状腺超音波検査は、甲状腺の大きさや全体像、しこりの有無、しこりの大きさや位置、形状、内部の状態などを観察する検査で、検査時間は15分前後の検査です。
おすすめする方
・前頸部の腫脹がある方
・甲状腺機能亢進または機能低下が疑われる方
・甲状腺疾患または甲状腺癌の家族歴がある方
・放射線療法の治療歴がある方
・甲状腺腫の既往歴がある方 など

循環器系検査

安静時心電図検査で分かること
安静時心電図検査では、心拍数(脈拍数)、不整脈、心筋梗塞、心肥大などを波形から読み取ることができます。なお、不整脈などで記録時間(数分)の間に変化が出ていない場合、診断ができないこともあります。
心電図装置から電流を流すわけではありませんので、体に電流などが流れることはなく、痛みは全くありません。
心電図検査手順
ベッドに仰向けに寝てもらい、全身の力を抜いて頂きます。両手首、両足首、胸に6個の電極を装着します。(必要に応じて胸にクリームを付けることがあります) 手足の力を抜いたまま、安静にした状態で心電図の記録を行います。検査は通常3分程度で終わります。
注意事項
・ストッキングやタイツなど、足首が出ない下着類は脱衣して頂きます。
・胸部に電極を装着するため、胸部のコルセットや下着類は外して頂きます。
・症状が日常的に出現していても、検査施行時に変化が出ていなければ記録されませんので、日常的な症状は外来診療でのご相談が必要となります。
ホルター心電図検査とは
通常の生活の中で長時間の心電図を記録する検査です。装置を装着してから、翌日当クリニックで装置を外すまでの心電図を記録し解析しますので、症状が運動中や早朝に起こる場合など、日常生活の中で心電図変化を生じ、通常の安静時心電図検査では検出できない場合に有用な検査です。
また、ある一定の行動(飲酒、階段昇降、出勤時、喫煙時など)により生じる症状も、同様の行動を試していただくことで、波形の変化を確認することができます。
ホルター心電図検査手順
当院でのホルター心電図は外来診療での予約制となりますので、ご希望の方はお電話頂くか、外来診察でご相談ください。
胸部に電極を貼り付け、ホルター心電図装置を体に装着したまま着衣します。入浴のみできませんが、翌日の取り外しまで心電図装置を身につけたまま通常の生活をして頂きます。また、心電図記録中の行動を確認するため、簡単な行動日記も記載して頂きます。
注意事項
・長時間にわたり電極を装着するため、外れないよう強力な医療用テープで固定します。そのため、肌の弱い方はかぶれることがあります。
・可能な限り、携帯電話や電気毛布などの電気機器は記録機に近づけないようにしてください。
・装着当日の入浴はできません。
おすすめする方
・安静時心電図にて異常を指摘された方
・脈が飛んだり、不規則なことがある方
・突然意識が遠くなることがある方
・胸や背中が締め付けられたように痛む方
・睡眠中、胸が圧迫されて息苦しい方
・一年前まで平気だった仕事や作業が、最近では負担になる方
・動悸のある方 など

心臓超音波

超音波検査とは
超音波検査は、人の耳には聞こえない高周波数の音波を臓器に向かって発信し、返ってくる反射波を受信して、画像として映し出す検査です。
放射線の被爆がなく、安心して受けて頂ける検査ですが、画像の描出には、空気やガス、脂肪、骨などの体内環境に影響を受けることがあります。
心臓超音波検査とは
心臓は握りこぶしくらいの大きさで、通常は左胸に位置しています。肺の間に挟まれるように存在しており、外側には肋骨があるため、左の肋骨の隙間から超音波をあてて心臓を観察します。体型や肺の影響により画像の描出が難しくなることがあり、画像の向上を図るため、「息を吐いて止める。息を吸って止める。」などの呼吸調整を行って頂くことがあります。
絶えず動いている心臓の動きを観察できる検査です。また、血液の流れも観察できるため、心電図だけではわからない弁膜症の存在診断もできます。
おすすめする方
・高血圧、高脂血症、糖尿病がある方
・心臓や血管の異常を指摘された方
・階段昇降や歩行時に息切がある方
・胸痛がある方
・動悸のある方 など

胸部X線検査

胸部にある臓器(主に肺・心臓・大動脈など)、つまり呼吸器と循環器に異常がないかを調べる検査です。胸部全体にX線を照射して撮影し、肺に異常な影があるかどうか、また心臓の形などに異常があるかどうかを調べます。
肺は、空気が多いためX線を通しやすく全体的に黒く映ります。この肺の中に白映る影が認められれば、なんらかの異常があると考えられます。また、心臓の形や大きさの異常も写真から推測できます。
検査で異常が疑われた場合には、胸部CT検査、喀痰検査、気管支鏡検査、腫瘍マーカー検査など追加の検査が行われます。
どんな病気がわかるの?
肺結核や肺炎などの炎症、肺癌、肺膿傷、肺気腫などの疾患や、気管支拡張症、心臓拡大など。ただ、検査の際には十分に息を吸って止めた状態で撮影していないと、横隔膜が上がり心臓拡大気味に見えたりすることもあります。
検査の注意点
検査時にはボタンや金属製のものをはずしていただきます。
検査を受けることが出来ない方
人体にはほとんど影響のない程度ですが、微量の放射線を浴びるため、妊娠中または可能性のある人は検査を受けることが出来ません。

胸部CT検査

CT検査とは
コンピュータ断層撮影法(Computed Tomography )の略であり、体の周囲を360度方向から連続的にX線を照射し、身体の断面を撮影する検査です。X線は身体の内部を通過しますが、組織や臓器によって通過しやすさは異なります。CTは通過したX線量の差をデータとして集め、コンピュータ処理することによって身体の内部を画像化します。
肺がん死亡を減少させるためには、CTによる肺がん検診が重要です。2011年に、米国の大規模な臨床研究で、低線量の胸部CT検診の方が、単純X線写真による検診よりも明らかに肺がん死亡率を低下(約 20%)させることが報告されました。
胸部X線(レントゲン)写真では、肺には心臓や肋骨などに重なる部位があるため、肺がんを見つけることが困難な場合があります。
一方、CT検査では肺の断面像を合成できるので、心臓の裏側、肋骨に重なる部位まで死角なく描出され、肺がんをより早期に発見することができます。また転移を起こす前のごく早期の肺がんを見つけ、肺がんで死亡するリスクを減らすことが可能になります。
通常の精密検査のためのCT検査では放射線被曝が比較的多く、検診では低線量で撮影を行います。低線量にすると画像は粗くなる傾向がありますが、最新の装置、画像処理技術を用いることにより、小さな病変や濃度の淡い病変も検出することが可能となりました。
検査をおすすめしたい方
・年齢50歳以上の方
・ヘビースモーカー(*喫煙係数400以上)の方
・受動喫煙(他人が吸ったタバコの煙を吸う)の環境にある方
・がん家系の方
・上記以外でも気になる方
検査を受けることができない方
・妊娠中または妊娠の可能性のある方
・埋め込み型心臓ペースメーカー、埋め込み型除細動装置をご使用の方

喀痰検査

喀痰中の悪性(がん)細胞の有無を検査します。肺がんのスクリーニング検査です。

肺機能検査

肺機能検査とは
息切れ、呼吸困難、痰が出るなど、肺の病気が疑われるときに行う検査です。口で息を吸ったり吐いたりして肺の大きさや息を吐く勢いなどを調べます。肺の病気の診断や重症度、治療効果の判定に用いられます。
検査方法
鼻から空気が漏れないようにクリップでつまみ、マウスピースをくわえて、指示に従って口で息を吸ったり吐いたりします。検査時間は約5分です。
検査から分かること
・空気を肺に取り込む量が少なくなると拘束性の障害(肺が硬くなった状態)が考えられ、肺結核や肺線維症などの疾患が疑われます。
・一気に吐き出す量が少なくなると閉塞性の障害(空気の通り道が狭くなった状態)が考えられ、気管支ぜんそくなどの疾患が疑われます。
・肺に取り込む量も一気に吐き出す量も少ない場合は、混合性の障害が考えられ、肺気腫などが疑われます。
おすすめする方
・喫煙される(されてた)方
・息切れや呼吸困難のある方
・痰が出る方
・胸部レントゲンで肺に異常を認めた場合
注意点
最大まで息を吸い込んだり、強く吐き出したりする必要があり、検査を受ける方の協力が欠かせません。協力が得られないと正しい値が出ないことがあります。

乳房超音波

乳房超音波検査とは
ベッドに仰向けになり、乳房にゼリーを塗布します。探触子(プローブ)を乳房に滑らせて観察を行い、乳腺の性状や腫瘍の有無を調べます。腫瘍が検出された場合は、大きさや形、血流、固さなどの観察が可能ですが、良性や悪性の細胞成分の判定には精密検査が必要です。検査時間は約10分程度です。
当院では乳房超音波検査は女性技師が検査を行っています。
乳房超音波検査のメリット
・放射線を浴びることもなく、痛みもほとんど伴いません。
・妊娠中や妊娠が疑われる方、授乳期中の方や断乳後6ヵ月未満の方、ペースメーカー挿入 の方、豊胸術後の方などマンモグラフィーが受けられない方も受けていただけます。
・腫瘤を形成するタイプの乳がんに有効で小さいものも見つける事が可能です。
乳房超音波検査のデメリット
乳房超音波検査だけで乳がんを全て検出することはできせん。腫瘤(しこり)として触れない非腫瘤性病変と呼ばれるタイプの病変や、微細な石灰化病変ではマンモグラフィーの方が検出に優れています。

マンモグラフィー検査(乳房X線検査・MMG検査)

マンモグラフィー検査とは
専用装置で乳房を挟んで圧迫し、薄く伸ばして、ブラインドエリアをできるだけなくすために上下左右から撮影する検査です。このとき、乳房の厚みを極力薄くなるように圧迫しますので、痛みを伴うことがあります。
腫瘤の有無や大きさ、形、濃度、また、石灰化の有無や形態、分布を調べます。検査時間は画像確認を含めて約10分です。
当院では、トモシンセシス(3D)という最新機能を搭載し、撮影角度を変えて複数の方向から撮影します。通常マンモグラフィ(2D)では判別困難な病変も明瞭に描出されます。また、2Dでは正常組織の重なり合いで異常を疑われる病変も、3Dでは正常と判断できる場合が多くあります。
日本乳がん検診精度管理中央機構の認定施設であり、認定技師(女性)による撮影、認定医師による読影を行なっています。
おすすめしたい方
・乳房にしこり、ひきつれがある方
・40歳以上の方
・出産経験や授乳経験がない方
・初潮が早かった方
・肥満の方(特に閉経後)
・良性の乳腺の病気になったことがある方
・血縁者に乳がんになった人がいる方
検査を受けられない方
・妊娠中、妊娠の可能性のある方
・授乳中、断乳後6か月未満の方
・豊胸術を受けられている方
・ペースメーカーやシャントをされている方
・インスリンポンプ、持続グルコース測定器を装着されている方
・脊髄刺激療法、脳深部刺激療法をされている方

上腹部超音波

超音波検査とは
超音波検査は、人の耳には聞こえない高周波数の音波を臓器に向かって発信し、返ってくる反射波を受信して、画像として映し出す検査です。
放射線の被爆がなく、安心して受けて頂ける検査ですが、画像の描出には、空気やガス、脂肪、骨などの体内環境に影響を受けることがあります。
上腹部超音波検査で分かること
主に膵臓・肝臓・胆道・腎臓・脾臓・腹部大血管の観察をします。検査時間10~15分程度です。脂肪肝や腫瘍の有無、結石やポリープなどがわかります。ただし、高度の肥満や術後など、生体条件の変化によって超音波が臓器に届かず、観察できない部位や描出不良の場所が発生することが検査の弱点です。
注意事項
検査当日は絶飲食で、ガムや飴も避けてください。水やお茶など糖分や脂肪分を含まない水分であれば、検査の2時間前までに100cc程度なら摂取可能です。検査当日に食事または乳製品を含む飲み物(牛乳、ミルク入りコーヒー、ヨーグルトなど)を摂取された方の検査は実施できません。
おすすめする方
・血液検査や尿検査で肝機能・腎機能・胆道系の酵素などの項目が高値の方
・40歳以上の方
・腹部痛の原因精査(胆石症・胆嚢炎・腎結石・膵炎等)など

腹部CT検査

CT検査とは
コンピュータ断層撮影法(Computed Tomography)の略であり、体の周囲を360度方向から連続的に X線を照射し、身体の断面を撮影する検査です。X線は身体の内部を通過しますが、組織や臓器によって通過しやすさは異なります。CTは通過したX線量の差をデータとして集め、コンピュータ処理することによって身体の内部を画像化します。
腹部CT検査とは
肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓などを調べます。
ガスや脂肪のためにエコーでは見えにくい、深部臓器の描出が可能です。
肝臓がん、胆道がん、膵臓がんなどの腹部臓器原発の悪性腫瘍の有無や進行度、腹部リンパ節への転移の有無などが分かります。
ただし造影剤を使用しない単純CTのため、血流障害や炎症性病変の有無、腫瘍性病変の有無を評価できない場合があります。
検査時間は約10分です。
おすすめしたい方
・食欲がない
・よく下痢をする
・お腹が張る
・お腹が痛い
・全身がだるい
・体重が急に減った
・背中が痛い
検査を受けられない方
・妊娠中、妊娠の可能性のある方
・腹部にペースメーカーをされている方
・検査前にバリウム検査をした方
検査の注意事項
検査当日は絶飲食で、ガムや飴も避けてください。水やお茶など糖分や脂肪分を含まない水分であれば、検査の2時間前までに100cc程度なら摂取可能です。検査当日に食事または乳製品を含む飲み物(牛乳、ミルク入りコーヒー、ヨーグルトなど)を摂取された方の検査は実施できません。

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)

内視鏡を口や鼻から挿入して、食道・胃・十二指腸の粘膜を直接観察し、潰瘍・ポリープ・腫瘍などの有無と状態を調べます。病理診断のため、ポリープや腫瘍組織の一部を採取する(生検)場合もあります。
<経口法>
喉にゼリー状の局所麻酔剤を溜めて、嘔吐反射の抑制を図ります。その後、内視鏡を口から挿入する方法です。
舌の奥を内視鏡が通過する際に刺激になり、個人差はありますが、嘔吐反射があります。
<経鼻法>
両方の鼻腔に、鼻のむくみを取る薬を噴霧してゼリー状の局所麻酔剤を注入します。
その後に鼻から喉を経由して内視鏡を挿入します。
スコープが舌の根元にあたらないため、経口法に比べ嘔吐反射は少ないと言われています。ただ、細くて柔らかいため、十二指腸の奥などに入りづらかったり、充分な組織の採取(生検)ができないことがあります。
一般的には“経口法に比べて経鼻法が楽”と言われる方が多いですが、内視鏡が鼻腔を擦ったり、鼻腔壁を圧迫する等の要因で、痛みや鼻出血を起こすことがあります。鼻炎や鼻の病気がある方、鼻の内腔が狭い方には、あまりお勧めできません。特に鼻腔の狭い方では挿入できないことがあり、経口法への切り替えが必要な場合もあります。
検査を受ける場合の注意事項
・妊娠中の方は、胎児と母体への影響を考え、検査をお控えいただいております。
・抗凝固剤服用中の方は、検査はできますが、組織の採取(生検)はできません。
血液をさらさらにする作用のあるお薬を服用している場合、大量出血を助長する恐れがあります。服用を中止すれば生検が可能ですが、主治医の許可がある場合に限ります。必要時生検を希望する場合は、必ず主治医に休薬期間を確認し、許可を得て休薬して下さい。

上部消化管造影検査(胃X線検査、バリウム検査)

上部消化管造影検査とは
食道、胃、十二指腸のバリウムの流れや付着の状態を透視で観察しながら撮影をして、病変の有無を調べる検査です。胃がんのほかに、胃潰瘍やポリープ、胃炎などが診断できます。
医療技術の進歩により、胃がんでの死者は減少していますが、まだまだ罹患率・死亡率ともに高いのが現状です。早期発見のため定期的に胃の検査を受けられることをおすすめします。
検査方法
・顆粒の発泡剤を少量の水で飲みます。胃が膨らみ、ゲップが出そうになりますが、胃の中のひだを伸ばして病変を発見しやすくするためですので、検査中はこらえてください。
・指示に従ってバリウムを飲みます。
・撮影台を倒したり、体を右へ左へ回転させるなどの指示が出されます。バリウムを胃壁全体に薄く付着させるためです。
・様々な角度で撮影が行われます。検査は10~15分で終わります。
☆検査後は、すぐに下剤を飲み、水・お茶など水分をたくさん摂っていただきます。バリウムが固まる前に体外に排出させるためです。便秘傾向の方には予備の下剤を多めにお渡しします。
検査を受けられない方
・妊娠中、妊娠の可能性のある方
・バリウム、発泡剤、下剤にアレルギーのある方
・腸閉塞の既往のある方
・1年以内にお腹の手術を受けられた方(ポリープ切除は1か月を経過すれば検査可)
・大腸憩室で、憩室炎のある方
・1年以内に脳梗塞や心筋梗塞の病気を発症された方
・心臓病、腎臓病などで水分制限のある方や人工透析中の方
・検査当日に強い腹痛などの症状のある方
・検査当日に3日以上便秘が続いている方(習慣性便秘の方)
・検査当日の血圧が180/110㎜Hg以上の方
・体重が135㎏以上ある方
検査の注意事項
検査の前日は、早めに夕食をすませ、検査当日は、絶食で胃の中を空っぽの状態にしておきます。ガムや飴、たばこは避けてください。水分は検査2時間前までに100ml程度であれば摂取可能です。

下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)

肛門から内視鏡を挿入して、大腸(直腸 ~ 盲腸)を直接観察し、炎症・ポリープ・腫瘍の有無と状態を調べます。ポリープの大きさや形状を確認し、組織を一部採取して病理診断を行うことはありますが、当院には入院設備がありませんので、ポリープの切除術はできません。その場合は、ご相談の上、処置が可能な医療機関をご紹介させていただきます。
<検査を受ける場合の注意事項>
1.事前に必ず消化器内科外来を受診していただきます。(健診の方は健診日に受診し、後日大腸カメラをお受けいただきます。)
医師より検査や使用薬剤の説明、看護師より事前準備を説明いたします。
検査を受けるには腸を空にする必要がありますので、数日前から食事内容に気をつけていただき、便通を整えるため下剤を処方いたします。検査当日は、約2Lの水様の下剤を飲んでいただきます。
2.事前受診の際、常用薬を確認します。下記の内服をされている方は、休薬の説明をいたしますので、お申し出ください。
 ・ 抗凝固剤(血液をサラサラにする作用のある薬)を服用されている方
 ・ 貧血で鉄剤を服用されている方
3.曲がりくねっている大腸に空気を送り込み、ふくらませ観察するので、検査後少しお腹が脹ることがあります。
4.妊娠中の方は、胎児と母体への影響を考え、検査をお控えいただいております。
5.授乳中の方は、断乳が必要になる薬剤があります。事前受診の際、医師にご相談ください。

大腸CT検査

CT検査とは
コンピュータ断層撮影法(Computed Tomography)の略であり、体の周囲を360度方向から連続的にX線を照射し、身体の断面を撮影する検査です。X線は身体の内部を通過しますが、組織や臓器によって通過しやすさは異なります。CTは通過したX線量の差をデータとして集め、コンピュータ処理することによって身体の内部を画像化します。
大腸CT検査とは
大腸をCO2ガスで膨らまし、内視鏡を挿入せずCT装置で撮影します。その後、コンピューター処理をして大腸の3次元画像を作成しその画像を元に大腸を診断する検査です。内視鏡の検査と比較して、苦痛が少なく短時間で検査ができます。
当院は日本消化器がん検診学会の認定施設であり、大腸CT検査認定技師が対応します。女性の方には女性技師が検査を行います。
検査方法
<前処置>
検査前日は検査食を食べていただき、同時に少量の経口用造影剤を服用していただきます。また検査前日の夜に下剤を服用していただきます。
<検査当日>
始めに大腸の動きを止める注射をします。
CT装置の台に横になっていただき、肛門に細い検査用チューブを挿入します。
挿入後、CO2ガスを注入し大腸を膨らませます。
大腸が膨らんだらCTで撮影を行います。撮影は2体位(仰向け、うつ伏せ)で1回の撮影は約20秒です。
撮影後、チューブを抜いて検査終了となります。検査時間は約20分です。
大腸に注入したCO2ガスは腸管から速やかに吸収されるため、検査後の膨満感や腹痛はほとんどありません。
長所
・検査時間が短く、苦痛が少ない
・内視鏡の挿入が困難な方も検査可能
・内視鏡が苦手とする大腸のひだの裏側も検査可能
・大腸だけではなく、腹部の他臓器の情報も得られる
・大腸に狭窄箇所があっても観察が可能
短所
・ポリープ切除や組織採取ができない
・平坦な腫瘍は見つけにくい
おすすめしたい方
・便潜血検査で陽性の方
・以前大腸内視鏡の検査で苦痛だった方
・大腸内視鏡検査をためらっている方
検査を受けられない方
・妊娠中、妊娠の可能性のある方
・腹部にペースメーカーをされている方
・検査前にバリウム検査をした方
・腸閉塞が疑われる方

便潜血(免疫法)

大腸、直腸、肛門などの消化管からの出血があると陽性になります。大腸ポリープ、大腸癌のほか、痔からの出血や裂肛でも反応しますが、陽性者の3%に大腸癌が存在するといわれています。陽性反応もしくは自覚症状のある場合は精密検査をお勧めします。

泌尿器超音波検査

泌尿器超音波検査で分かること
泌尿器超音波検査では、主に膀胱・腎臓・副腎・尿管・前立腺の観察をします。検査時間は尿が十分に溜まっていれば約20分程度です。
腎結石、腎腫瘍、尿管結石、前立腺肥大、膀胱腫瘍などが分かります。
注意事項
検査当日は水分を摂取して尿を膀胱に十分に溜めて頂くことで、膀胱壁が伸展し膀胱内部の観察ができるようになります。また、膀胱を介して前立腺の観察も行えます。尿の溜まりが不十分の場合は尿が十分貯まるまで、お時間を頂きます。
おすすめする方
・血液検査で腎機能、PSA(前立腺特異抗原)が高値の方
・尿検査で血尿、蛋白尿が陽性の方
・尿が近い、尿が出にくい、排尿痛がある方
・背部痛があり、腎結石や尿管結石が疑われる方 など

内診

膣から指を入れ、腹部を押さえ触診します。
膣・子宮の入り口付近の粘膜や分泌物の様子と子宮・卵巣の大まかな大きさや位置などを確認します。大きな病変でなければ触知できないため、細かいところまではわかりません。月経の量が多い方や子宮・卵巣疾患の既往のある方は、経腟超音波検査をされることをお勧めします。

婦人科頸部細胞診

クスコ(鳥のくちばしのような器具)を用いて膣の入り口を開き、子宮頸部(子宮の入口)の細胞をブラシで擦りとり、顕微鏡でガン細胞をみつける検査です。
子宮ガンの細胞及び前段階の異形細胞の診断ができます。
頸部を擦る刺激で、おりものに血液が混じることもありますが、大抵2日程でおさまります。生理中の検査は、正確にできない可能性があるため、6日目以降での検査をご案内いたします。
※ 当健診施設では、子宮体部の細胞診検査はお受けしておりません。
細胞診の判定 <ベセスダシステム>
・異常なし
細胞診結果
用語説明
解説
NILM
陰性
異常な細胞は認めない
・扁平上皮系異常
細胞診結果
用語説明
解説
ASC-US
軽度扁平上皮内病変疑い
異形成とは言い切れないが、変化のある細胞を認めるので、詳しい検査が必要です。
ASC-H
高度扁平上皮内病変疑い
高度な異型細胞の可能性があるが、確定できないため、詳しい検査が必要です。
LSIL
軽度扁平上皮内病変
HPV感染や細胞の軽度異形成が考えられます。前癌病変(異形成)の可能性があるので、詳しい検査が必要です。
HSIL
高度扁平上皮内病変
異型細胞が認められます。前癌病変(異形成)~初期の癌である可能性があるため、詳しい検査が必要ですす。
SCC
扁平上皮癌
癌と思われる細胞が認められるため、詳しい検査が必要です。
・腺系異常
細胞診結果
用語説明
解説
AGC
異型腺細胞
異型細胞が認められる。前癌病変(異形成)~初期の癌の可能性があるため、詳しい検査が必要です。
AIS
上皮内腺癌
初期の癌である可能性があるため、詳しい検査が必要です。
Adenocarcinoma
腺癌
癌と思われる細胞が認められるため、詳しい検査が必要です。
・その他
細胞診結果
用語説明
解説
Other malig.
その他の異型細胞・悪性細胞
悪性細胞が認められるため、詳しい検査が必要です。
・異常なし
細胞診結果
用語説明
解説
NILM
陰性
異常な細胞は認めない
・扁平上皮系異常
細胞診結果
用語説明
解説
ASC-US
軽度扁平上皮内病変疑い
異形成とは言い切れないが、変化のある細胞を認めるので、詳しい検査が必要です。
ASC-H
高度扁平上皮内病変疑い
高度な異型細胞の可能性があるが、確定できないため、詳しい検査が必要です。
LSIL
軽度扁平上皮内病変
HPV感染や細胞の軽度異形成が考えられます。前癌病変(異形成)の可能性があるので、詳しい検査が必要です。
HSIL
高度扁平上皮内病変
異型細胞が認められます。前癌病変(異形成)~初期の癌である可能性があるため、詳しい検査が必要です
SCC
扁平上皮癌
癌と思われる細胞が認められるため、詳しい検査が必要です。
・腺系異常
細胞診結果
用語説明
解説
AGC
異型腺細胞
異型細胞が認められます。前癌病変(異形成)~初期の癌の可能性があるため、詳しい検査が必要です。異形成とは言い切れないが、変化のある細胞を認めるので、詳しい検査が必要です。
AIS
上皮内腺癌
初期の癌である可能性があるため、詳しい検査が必要です。
Adenocarcinoma
腺癌
癌と思われる細胞が認められるため、詳しい検査が必要です。
・その他
細胞診結果
用語説明
解説
Other malig.
その他の異型細胞・悪性細胞
悪性細胞が認められるため、詳しい検査が必要です。
NILM(陰性)以外の結果が出た場合は、正確な診断を行うために、必ず設備の整った婦人科を受診していただき、精密検査をお受け下さい。

婦人科系超音波

超音波検査とは
超音波検査は、人の耳には聞こえない高周波数の音波を臓器に向かって発信し、返ってくる反射波を受信して、画像として映し出す検査です。
放射線の被爆がなく、安心して受けて頂ける検査ですが、画像の描出には、空気やガス、脂肪、骨などの体内環境に影響を受けることがあります。
婦人科系超音波検査で分かること
健診の経膣・経腹超音波検査では、主に子宮、卵巣の観察をします。検査時間は経腟では約1~2分程度、経腹では約10分程度です。子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫など、臓器の形態や腫瘍の有無などが観察でき、内診だけでは分からない婦人科系疾患を評価します。
経膣超音波では消化管ガスの影響を受けないため良好な観察が得られますが、子宮の外側に突出するような大きな筋腫の観察には向かない場合もあります。
経腹超音波では消化管ガスなどの影響を受け易く、特に卵巣の評価が難しくなることがありますが、子宮から突出する大きな筋腫などの観察には向いています。
検査手順
<経膣超音波>
医師が細い器具を膣内に挿入して、子宮の入口から直接子宮、卵巣の観察をします。内診台で子宮がん健診と同時に行います。排尿後も検査可能です。
<経腹超音波> 膀胱内に尿が溜まった状態で検査を行います。
仰向けに寝てもらい、お腹の外側から下腹部を中心に超音波を当てて、子宮、卵巣の観察をします。膀胱に尿が少ない場合は、飲水などの上、膀胱に尿が溜まるまでお時間を頂きます。
注意事項
<経膣超音波>
単独での検査は行っておりません。子宮内診・細胞診検査とセットでのご受診となります。
子宮筋腫がとても大きい場合、全体を観察できない事があります。
膣萎縮がある方は検査ができません。
<経腹超音波>
月経時にも検査可能です。尿が少ない場合は膀胱に尿が溜まるまでお時間を頂きます。