検査内容の説明
下部消化管(大腸)検査
下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)
肛門から内視鏡を挿入して、大腸(直腸 ~ 盲腸)を直接観察し、炎症・ポリープ・腫瘍の有無と状態を調べます。ポリープの大きさや形状を確認し、組織を一部採取して病理診断を行うことはありますが、当院には入院設備がありませんので、ポリープの切除術はできません。その場合は、ご相談の上、処置が可能な医療機関をご紹介させていただきます。
<検査を受ける場合の注意事項>
① 事前に必ず消化器内科外来を受診していただきます。
(健診の方は健診日に受診し、後日大腸カメラをお受けいただきます。)
医師より検査や使用薬剤の説明、看護師より事前準備を説明いたします。
検査を受けるには腸を空にする必要がありますので、数日前から食事内容に気をつけていただき、便通を整えるため下剤を処方いたします。検査当日は、1.8㍑の水様の下剤を飲んでいただきます。
② 事前受診の際、常用薬を確認します。
下記の内服をされている方は、休薬の説明をいたしますので、お申し出ください。
・ 抗凝固剤(血液をサラサラにする作用のある薬)を服用されている方
・ 貧血で鉄剤を服用されている方
③ 曲がりくねっている大腸に空気を送り込み、ふくらませ観察するので、検査後少しお腹が脹ることがあります。
④ 妊娠中の方は、胎児と母体への影響を考え、検査をお控えいただいております。
⑤ 授乳中の方は、断乳が必要になる薬剤があります。事前受診の際、医師にご相談ください。
大腸CT検査
CT検査とは
コンピュータ断層撮影法(Computed Tomography)の略であり、体の周囲を360度方向から連続的にX線を照射し、身体の断面を撮影する検査です。X線は身体の内部を通過しますが、組織や臓器によって通過しやすさは異なります。CTは通過したX線量の差をデータとして集め、コンピュータ処理することによって身体の内部を画像化します。
大腸CT検査とは
大腸をCO2ガスで膨らまし、内視鏡を挿入せずCT装置で撮影します。その後、コンピューター処理をして大腸の3次元画像を作成しその画像を元に大腸を診断する検査です。内視鏡の検査と比較して、苦痛が少なく短時間で検査ができます。
検査方法
・前処置
検査前日は検査食を食べていただき、同時に少量の経口用造影剤を服用していただきます。また検査前日の夜に下剤を服用していただきます。
・検査当日
始めに大腸の動きを止める注射をします。
CT装置の台に横になっていただき、肛門に細い検査用チューブを挿入します。
挿入後、CO2ガスを注入し大腸を膨らませます。
大腸が膨らんだらCTで撮影を行います。撮影は2体位(仰向け、うつ伏せ)で1回の撮影は約20秒です。
撮影後、チューブを抜いて検査終了となります。検査時間は約20分です。
大腸に注入したCO2ガスは腸管から速やかに吸収されるため、検査後の膨満感や腹痛はほとんどありません。
長所
・検査時間が短く、苦痛が少ない。
・内視鏡の挿入が困難な方も検査可能。
・内視鏡が苦手とする大腸のひだの裏側も検査可能。
・大腸だけではなく、腹部の他臓器の情報も得られる。
・大腸に狭窄箇所があっても観察が可能。
短所
・ポリープ切除や組織採取ができない。
・平坦な腫瘍は見つけにくい。
おすすめしたい方
以下の症状がある方は大腸CT検査をおすすめします。
・便潜血検査で陽性の方
・以前大腸内視鏡の検査で苦痛だった方
・大腸内視鏡検査をためらっている方
検査を受けられない方
・妊娠中、妊娠の可能性のある方
・腹部にペースメーカーをされている方
・検査前にバリウム検査をした方
・腸閉塞が疑われる方
便潜血(免疫法)
大腸、直腸、肛門などの消化管からの出血があると陽性になります。大腸ポリープ、大腸癌のほか、痔からの出血や裂肛でも反応しますが、陽性者の3%に大腸癌が存在するといわれています。陽性反応もしくは自覚症状のある場合は精密検査をお勧めします。