検査内容の説明
子宮検査
内診
膣から指を入れ、腹部を押さえ触診します。
膣・子宮の入り口付近の粘膜や分泌物の様子と子宮・卵巣の大まかな大きさや位置などを確認します。大きな病変でなければ触知できないため、細かいところまではわかりません。月経の量が多い方や子宮・卵巣疾患の既往のある方は、経腟超音波検査をされることをお勧めします。
婦人科頸部細胞診
クスコ(鳥のくちばしのような器具)を用いて膣の入り口を開き、子宮頸部(子宮の入口)の細胞をブラシで擦りとり、顕微鏡でガン細胞をみつける検査です。
子宮ガンの細胞及び前段階の異形細胞の診断ができます。
頸部を擦る刺激で、おりものに血液が混じることもありますが、大抵2日程でおさまります。生理中の検査は、正確にできない可能性があるため、6日目以降での検査をご案内いたします。
※ 当健診施設では、子宮体部の細胞診検査はお受けしておりません。
細胞診の判定 <ベセスダシステム>
■異常なし
細胞診結果 | 用語説明 | 解説 |
NILM | 陰性 | 異常な細胞は認めない |
■扁平上皮系異常
細胞診結果 | 用語説明 | 解説 | |
ASC-US | 軽度扁平上皮内病変疑い | 異形成とは言い切れないが、変化のある細胞を認めるので、詳しい検査が必要です。 | |
ASC-H | 高度扁平上皮内病変疑い | 高度な異型細胞の可能性があるが、確定できないため、詳しい検査が必要です。 | |
LSIL | 軽度扁平上皮内病変 | HPV感染や細胞の軽度異形成が考えられます。前癌病変(異形成)の可能性があるので、詳しい検査が必要です。 | |
HSIL | 高度扁平上皮内病変 | 異型細胞が認められます。前癌病変(異形成)~初期の癌である可能性があるため、詳しい検査が必要です | |
SCC | 扁平上皮癌 | 癌と思われる細胞が認められるため、詳しい検査が必要です。 |
■腺系異常
細胞診結果 | 用語説明 | 解説 | |
AGC | 異型腺細胞 | 異型細胞が認められる。前癌病変(異形成)~初期の癌の可能性があるため、詳しい検査が必要です。 | |
AIS | 上皮内腺癌 | 初期の癌である可能性があるため、詳しい検査が必要です。 | |
Adenocarcinoma | 腺癌 | 癌と思われる細胞が認められるため、詳しい検査が必要です。 |
■その他
細胞診結果 | 用語説明 | 解説 | |
Other malig. | その他の異型細胞・悪性細胞 | 悪性細胞が認められるため、詳しい検査が必要です。 |
NILM(陰性)以外の結果が出た場合は、正確な診断を行うために、必ず設備の整った婦人科を受診していただき、精密検査をお受け下さい。
婦人科系超音波
超音波検査とは
超音波検査は、人の耳には聞こえない高周波数の音波を臓器に向かって発信し、
返ってくる反射波を受信して、画像として映し出す検査です。
放射線の被爆がなく、安心して受けて頂ける検査ですが、画像の描出には、空気やガス、脂肪、骨などの体内環境に影響を受けることがあります。
婦人科系超音波検査で分かること
健診の経膣・経腹超音波検査では、主に子宮、卵巣の観察をします。検査時間は約10分程度です。子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫など、臓器の形態や腫瘍の有無などが観察でき、内診だけでは分からない婦人科系疾患を評価します。
経膣超音波では消化管ガスの影響を受けないため良好な観察が得られますが、子宮の外側に突出するような大きな筋腫の観察には向かない場合もあります。
経腹超音波では消化管ガスなどの影響を受け易く、特に卵巣の評価が難しくなるこ
とがありますが、子宮から突出する大きな筋腫などの観察には向いています。
検査手順
経膣超音波:医師が細い器具を膣内に挿入して、子宮の入口から直接子宮、卵巣の観察をします。内診台で子宮がん健診と同時に行います。排尿後も検査可能です。
経腹超音波:膀胱内に尿が溜まった状態で検査を行います。
仰向けに寝てもらい、お腹の外側から下腹部を中心に超音波を当てて、子宮、卵巣の観察をします。膀胱に尿が少ない場合は、飲水などの上、膀胱に尿が溜まるまでお時間を頂きます。
注意事項
経膣超音波:子宮筋腫がとても大きい場合、全体を観察できない事があります。
膣萎縮がある方は検査ができません。
経腹超音波:月経時にも検査可能です。尿が少ない場合は膀胱に尿が溜まる
までお時間を頂きます。